カテゴリ: Java 更新日: 2026/01/25

継承とは?親クラスの機能を引き継ぐ方法を初心者向けにやさしく解説

継承とは?親クラスの機能を引き継ぐ方法
継承とは?親クラスの機能を引き継ぐ方法

新人と先輩の会話形式で理解しよう

新人

「Javaのオブジェクト指向を学んでいると、継承という言葉がよく出てきますが、正直なところ意味がよく分かりません…」

先輩

「継承は、Javaでクラスを設計するときの基本的な考え方ですね。コードを整理するために欠かせません。」

新人

「整理するというと、どんなメリットがあるんですか?」

先輩

「共通する処理をまとめて、何度も同じコードを書かなくて済むようになります。」

1. 継承とは何か

1. 継承とは何か
1. 継承とは何か

Javaにおける継承とは、あるクラスが持っているフィールドやメソッドといった機能を、 別のクラスが引き継いで利用できる仕組みのことです。 継承は、Javaのオブジェクト指向を支える重要な考え方の一つです。

元となるクラスを親クラス、親クラスの機能を引き継ぐクラスを子クラスと呼びます。 子クラスは、親クラスに定義された処理を自分で書かなくても使うことができます。 これにより、同じ処理を何度も記述する必要がなくなります。


class Animal {
    void eat() {
        System.out.println("食べる");
    }
}

この例では、Animalクラスが親クラスです。 動物に共通する「食べる」という動作を、親クラスとしてまとめています。 このように、共通の振る舞いを親クラスに定義するのが継承の基本です。

2. なぜJavaで継承が必要なのか

2. なぜJavaで継承が必要なのか
2. なぜJavaで継承が必要なのか

Javaで継承が必要とされる大きな理由は、コードの重複を減らすためです。 同じようなフィールドやメソッドを複数のクラスに直接書いてしまうと、 修正が必要になったときにすべてのクラスを修正する必要が出てきます。

継承を使えば、共通する処理を親クラスにまとめることができます。 その結果、保守性が向上し、プログラム全体の構造も分かりやすくなります。


class Dog extends Animal {
    void bark() {
        System.out.println("吠える");
    }
}

Dogクラスは、Animalクラスを継承しています。 そのため、Dogクラスは自分でeatメソッドを書かなくても、 親クラスで定義されたeatメソッドを利用できます。


食べる
吠える

このように、子クラスは親クラスの機能をそのまま使いながら、 自分専用の処理を追加することができます。 これが、Javaにおける継承の大きなメリットです。


class Cat extends Animal {
    void meow() {
        System.out.println("鳴く");
    }
}

Catクラスも同様にAnimalクラスを継承しています。 親クラスのeatメソッドを共通で使いつつ、 猫特有の動作として鳴く処理を追加しています。


食べる
鳴く

このように継承を使うことで、Javaのクラス設計は整理され、 現実世界の関係に近い形でプログラムを表現できるようになります。 初心者のうちから、継承の考え方に慣れておくことはとても重要です。

4. 親クラスと子クラスの関係をイメージで理解する

4. 親クラスと子クラスの関係をイメージで理解する
4. 親クラスと子クラスの関係をイメージで理解する

Javaの継承を理解するためには、親クラスと子クラスの関係をイメージで捉えることがとても大切です。 継承は単なる文法ではなく、現実世界の「共通点と違い」を整理する考え方そのものだからです。

例えば「人」という大きな分類を考えてみましょう。 人には「歩く」「話す」「食べる」といった共通の行動があります。 これらの共通する行動を一つの親クラスとしてまとめるとします。 その上で、「学生」や「会社員」といった役割ごとの違いを子クラスで表現します。

Javaの継承でも同じで、親クラスには「共通して持っている性質や処理」を定義し、 子クラスでは「それぞれに特有の処理」だけを追加します。 この関係を意識すると、extends を使う意味が自然と見えてきます。

親クラスは「共通の土台」、子クラスは「土台の上に特徴を追加した存在」と考えると分かりやすいでしょう。 この構造によって、Javaのクラス設計は整理され、読みやすくなります。

5. 同じ処理を何度も書かなくてよい理由

5. 同じ処理を何度も書かなくてよい理由
5. 同じ処理を何度も書かなくてよい理由

Javaで継承を使う最大の理由の一つが、同じ処理を何度も書かなくて済む点です。 初心者のうちはクラスを分けること自体が目的になりがちですが、 実際の開発では「変更に強いコード」を書くことが重要になります。

もし継承を使わずに、すべてのクラスに同じ処理を書いていた場合、 仕様変更が起きたときにすべてのクラスを修正しなければなりません。 これはミスの原因にもなり、保守性も大きく下がってしまいます。

親クラスに共通処理をまとめておけば、その処理を一か所修正するだけで、 子クラスすべてに変更が反映されます。 この仕組みこそが、Javaの継承が多くの場面で使われる理由です。

extends を使うことで、親クラスの処理を「コピーする」のではなく、 「そのまま利用する」形になる点も重要です。 これにより、コードの一貫性が保たれ、読みやすさも向上します。

6. Javaコードで見る継承の基本的な使い方

6. Javaコードで見る継承の基本的な使い方
6. Javaコードで見る継承の基本的な使い方

ここでは、pleiadesで作成した通常のJavaプロジェクトを想定し、 Javaコードを使って継承の基本的な使い方を確認していきます。 難しい設定は不要で、extends を使うだけで親クラスと子クラスの関係を作ることができます。


class Employee {
    void work() {
        System.out.println("働く");
    }
}

このEmployeeクラスは親クラスです。 「働く」という動作は、多くの職種に共通するため、親クラスとして定義しています。


class Engineer extends Employee {
    void develop() {
        System.out.println("システムを開発する");
    }
}

EngineerクラスはEmployeeクラスを継承しています。 extends を使うことで、Engineerクラスはworkメソッドを自動的に使えるようになります。 その上で、エンジニア特有の処理として開発の動作を追加しています。


働く
システムを開発する

同じように、別の子クラスを作ることもできます。 親クラスの処理はそのまま使い、必要な処理だけを追加する形です。


class Sales extends Employee {
    void sell() {
        System.out.println("商品を販売する");
    }
}

SalesクラスもEmployeeクラスを継承しています。 このように、Javaの継承を使うことで、 共通の処理を親クラスにまとめつつ、役割ごとの違いを子クラスで表現できます。


働く
商品を販売する

この構造を理解しておくと、Javaにおける親クラスと子クラスの関係が明確になり、 なぜ extends を使うのかが自然と理解できるようになります。

7. 継承を正しく使うと設計はどう良くなるのか

7. 継承を正しく使うと設計はどう良くなるのか
7. 継承を正しく使うと設計はどう良くなるのか

Javaの継承を正しく使うと、クラス設計が整理され、全体の構造がとても分かりやすくなります。 継承は、処理を増やすための仕組みではなく、共通部分をまとめるための仕組みです。 この前提を理解しているかどうかで、設計の良し悪しが大きく変わります。

親クラスに共通の処理を集約し、子クラスには役割ごとの差分だけを書くことで、 クラス一つひとつの責任が明確になります。 その結果、クラス名を見ただけで「何を担当しているクラスなのか」が分かりやすくなります。

Javaの開発現場では、後からコードを読む人が必ず存在します。 継承を正しく使った設計は、他の開発者が読んだときにも理解しやすく、 修正や追加もしやすいコードになります。 これは、保守性の高い設計につながる重要なポイントです。

また、親クラスを軸にして設計することで、 「この処理はどのクラスに書くべきか」という判断がしやすくなります。 迷いなくクラスを分けられるようになることも、継承を正しく使うメリットの一つです。

8. Javaの開発現場で継承が使われる理由

8. Javaの開発現場で継承が使われる理由
8. Javaの開発現場で継承が使われる理由

Javaの開発現場では、継承は非常によく使われています。 その理由は、同じような処理を持つクラスが多数存在するケースが多いからです。 特に、業務システムでは「共通ルール」や「共通処理」が数多く存在します。

例えば、コントローラ層で考えると、 すべての画面処理で共通して行うチェックや準備処理が存在することがあります。 こうした共通処理を親クラスにまとめておくことで、 各コントローラでは本来の業務処理だけに集中できます。


class BaseController {
    void commonProcess() {
        System.out.println("共通処理を実行する");
    }
}

このような親クラスを用意しておくと、 実際の画面ごとのコントローラでは、共通処理を意識せずに利用できます。 Javaの継承によって、コードの重複を自然に防ぐことができます。


@Controller
class UserController extends BaseController {
    void showUser() {
        commonProcess();
        System.out.println("ユーザー画面を表示する");
    }
}

この例では、UserControllerはBaseControllerを継承しています。 親クラスに定義された共通処理をそのまま使いながら、 自分の画面処理だけを追加しています。 これが、Javaの開発現場で継承が使われ続けている理由の一つです。

9. 継承を使いすぎた場合に起こりがちな注意点

9. 継承を使いすぎた場合に起こりがちな注意点
9. 継承を使いすぎた場合に起こりがちな注意点

継承はとても便利な仕組みですが、 「継承すれば何でも解決する」と考えてしまうのは危険です。 初心者が陥りやすい誤解の一つが、少しでも共通点があればすぐに継承を使ってしまうことです。

継承を使いすぎると、クラス同士の関係が複雑になり、 どのクラスがどの処理を持っているのか分かりにくくなります。 親クラスの変更が、意図しない形で子クラスに影響してしまうこともあります。

本来、継承は「明確に共通している処理」をまとめるための仕組みです。 無理に親子関係を作ると、設計が歪み、 後から修正するのが難しいコードになってしまいます。


class Report {
    void output() {
        System.out.println("レポートを出力する");
    }
}

class PdfReport extends Report {
    void convert() {
        System.out.println("PDFに変換する");
    }
}

このような例では問題ありませんが、 もし親クラスと子クラスの共通点が少ない場合、 無理に継承を使うと設計が分かりにくくなります。 Javaの継承は万能ではなく、あくまで設計を整理するための手段の一つです。

継承を使うかどうか迷ったときは、 「本当に共通部分をまとめたいのか」を一度立ち止まって考えることが大切です。 この意識を持つことで、Javaのクラス設計はより良いものになっていきます。

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