オブジェクト指向が得意なことと苦手なことを初心者向けにやさしく解説【Java入門】
新人
「Javaの勉強をしていると、オブジェクト指向って言葉が何度も出てくるんですが、正直よく分からなくて……」
先輩
「Javaを学ぶうえで、オブジェクト指向は避けて通れない考え方ですね。実務でもかなり重要になります。」
新人
「オブジェクト指向って、何ができて、逆に何が苦手なんですか?」
先輩
「まずは、オブジェクト指向そのものが何なのかを押さえたうえで、得意なことを整理すると分かりやすいですよ。」
新人
「ぜひ、Java初心者にも分かるように教えてほしいです。」
1. オブジェクト指向とは何か
オブジェクト指向とは、プログラムを作るときの考え方の一つで、Javaでは特に重要視されている設計の考え方です。 Java初心者の方が最初につまずきやすいポイントでもあり、「オブジェクト指向とは何か」が分からないまま学習を進めてしまうケースも少なくありません。
簡単に言うと、オブジェクト指向は「現実世界のモノや役割を、そのままプログラムの中に表現しよう」という考え方です。 人や商品、注文といった概念を、それぞれ独立した存在として扱い、それらが協力しながら処理を進めていくイメージになります。
Javaでは、この「モノ」にあたるものをクラスとして定義し、実際に動かす単位をオブジェクトとして扱います。 クラスは設計図のようなもので、オブジェクトはその設計図から作られた実体だと考えると理解しやすくなります。
オブジェクト指向では、処理を単純な手順の流れとして書くのではなく、それぞれのオブジェクトが自分の責任範囲の処理を持ちます。 そのため、処理の役割が分かれやすくなり、Javaのコード全体の見通しが良くなるという特徴があります。
Java初心者のうちは、「なぜわざわざクラスを分けるのか」「一つのファイルにまとめた方が簡単なのでは」と感じるかもしれません。 しかし、アプリケーションが大きくなるほど、オブジェクト指向の考え方が大きな力を発揮するようになります。
2. なぜJavaでオブジェクト指向が重視されているのか
Javaがオブジェクト指向を強く意識した言語である理由は、実際の開発現場で扱うシステムが非常に複雑だからです。 Webアプリケーションや業務システムでは、多くの機能や画面、データが関係し合って動いています。
そのようなシステムを、単純な処理の流れだけで管理しようとすると、コードがどんどん読みにくくなり、修正もしづらくなってしまいます。 Javaでは、オブジェクト指向を使うことで、機能ごとに役割を分け、責任の所在をはっきりさせることができます。
例えば、Pleiadesで作成したSpringのプロジェクトでは、コントローラ、サービス、データを扱うクラスなどが分かれています。 これもオブジェクト指向の考え方に基づいて、「それぞれの役割を持つクラスが連携する」構造になっています。
@Controllerを使ったJavaの開発では、画面からのリクエストを受け取る役割をコントローラが担当します。 その内部で、別のクラスに処理を任せることで、コードの見通しが良くなり、修正や追加にも強くなります。
Javaがオブジェクト指向を前提としていることで、複数人での開発や長期間の運用にも対応しやすくなっています。 初心者のうちは実感しにくい部分ですが、コード量が増えるほど、オブジェクト指向のありがたさを感じるようになります。
このように、Javaとオブジェクト指向は切っても切れない関係にあり、Java初心者が最初に理解しておきたい重要なポイントの一つです。 次の章以降では、オブジェクト指向が特に得意とする場面について、さらに詳しく見ていくことになります。
3. オブジェクト指向が得意なこと
Javaにおけるオブジェクト指向が得意としている点は、複雑な仕組みを整理しながら表現できるところにあります。 プログラミング初心者の方は、「なぜオブジェクト指向が必要なのか」と疑問に思うことが多いですが、 実際の業務システムを想像すると、その強みが少しずつ見えてきます。
業務アプリケーションでは、人、画面、データ、処理といった多くの要素が登場します。 オブジェクト指向では、それらを無理に一つの流れにまとめるのではなく、 それぞれを独立した存在として扱い、役割ごとに整理していきます。 これにより、Javaのコード全体が読みやすくなり、初心者でも構造を理解しやすくなります。
現実世界をモデル化しやすい点
オブジェクト指向の大きな特徴の一つが、現実世界をそのままプログラムに落とし込みやすい点です。 例えば、ショッピングサイトを考えた場合、利用者や商品といった存在が自然に思い浮かびます。 Javaでは、それぞれをクラスとして表現し、役割を持たせることができます。
public class Product {
private String name;
private int price;
public Product(String name, int price) {
this.name = name;
this.price = price;
}
public int getPrice() {
return price;
}
}
このように、商品という現実世界の存在をそのままクラスとして表現することで、 プログラムの内容が直感的に理解しやすくなります。 初心者の方でも、「このクラスは何を表しているのか」がイメージしやすくなる点が特徴です。
機能ごとに役割を分けられる点
オブジェクト指向が得意とするもう一つの点は、機能ごとに役割を明確に分けられることです。 Javaの開発では、一つのクラスにすべての処理を書いてしまうと、コードが肥大化しがちです。
@Controllerを使ったSpring開発では、コントローラは画面からのリクエストを受け取る役割に専念します。 実際の処理は別のクラスに任せることで、責任の範囲が明確になります。
@Controller
public class ProductController {
public String showPrice() {
Product product = new Product("Book", 2000);
return String.valueOf(product.getPrice());
}
}
このように役割を分けることで、画面処理とビジネスロジックが混ざりにくくなります。 Java初心者にとっても、「どこに何が書いてあるのか」が分かりやすくなり、 コードを追いやすくなるというメリットがあります。
修正や拡張に強い理由
オブジェクト指向は、修正や機能追加に強い設計を作りやすいという点でも優れています。 業務システムでは、仕様変更や追加要望が頻繁に発生しますが、 Javaでオブジェクト指向を意識して設計しておくことで、その影響を最小限に抑えられます。
既存のクラスを大きく変更せず、新しいクラスを追加するだけで対応できるケースも多く、 将来の変更に備えやすい構造を作れる点が、オブジェクト指向の大きな強みです。
4. Javaのオブジェクト指向とクラス・インスタンスの関係
Javaでオブジェクト指向を理解するためには、クラスとインスタンスの関係を正しく押さえることが重要です。 クラスは設計図のような存在で、インスタンスはその設計図から作られた実体として扱われます。
PleiadesでJavaプロジェクトを作成すると、まずクラスを定義し、 そのクラスをもとにインスタンスを生成して処理を進めていきます。
public class User {
private String name;
public User(String name) {
this.name = name;
}
public String getName() {
return name;
}
}
上記のクラスは「利用者」という概念を表した設計図です。 実際の処理では、このクラスを使ってインスタンスを作成し、データを扱います。
User user = new User("Taro");
String userName = user.getName();
このように、クラスとインスタンスを使い分けることで、 Javaではオブジェクト指向の考え方を具体的な形として実装しています。 どのクラスがどんな責任を持っているのかを意識することで、 プログラム全体の構造が見えやすくなります。
オブジェクト指向が得意とする場面を理解することで、 なぜJavaでこの仕組みが重視されているのかが、より自然に理解できるようになります。
5. オブジェクト指向が苦手なこと
Javaのオブジェクト指向は非常に強力な考え方ですが、どのような場面でも万能というわけではありません。 特に初心者の方が戸惑いやすいのが、「オブジェクト指向を使うことで、逆に分かりにくくなってしまうケース」が存在する点です。 Java オブジェクト指向 苦手と感じる理由の多くは、こうした場面に直面したときに生まれます。
オブジェクト指向は、ある程度の規模や複雑さを持つ処理を整理するための考え方です。 そのため、小さな処理や単純なロジックに無理に当てはめると、かえって負担になることがあります。 これはオブジェクト指向の欠点というよりも、使いどころの問題だと考えると理解しやすくなります。
小規模な処理では複雑になりやすい点
例えば、画面から数値を受け取って計算結果を表示するだけの簡単な処理を考えてみます。 このような場合でも、オブジェクト指向を強く意識しすぎると、 クラスを分けること自体が目的になってしまい、処理の流れが見えにくくなることがあります。
次の例は、非常に単純な計算処理にもかかわらず、 クラスを細かく分けすぎてしまったケースをイメージしたものです。
public class Calculator {
public int calculate(int a, int b) {
return a + b;
}
}
このクラス自体に問題があるわけではありませんが、 処理内容が単純な場合、ここまで分ける必要がないと感じることもあります。 Java初心者の方が「オブジェクト指向は回りくどい」と感じてしまう原因の一つです。
小規模な処理では、オブジェクト指向のメリットが表に出にくく、 Java オブジェクト指向 デメリットとして意識されやすくなります。 しかし、これは規模が大きくなったときに初めて価値が見えてくる考え方だという点を押さえておくことが大切です。
設計を考えずに書くと分かりにくくなる理由
オブジェクト指向は、設計を前提としたプログラミング手法です。 どのクラスが何を担当するのかを考えずに実装してしまうと、 クラスの責任が曖昧になり、結果として読みにくいコードになってしまいます。
次の例は、一つのクラスに多くの役割を詰め込んでしまった場合をイメージしたものです。
public class UserController {
public void handleRequest() {
validate();
save();
sendMail();
}
private void validate() {
// 入力チェック処理
}
private void save() {
// データ保存処理
}
private void sendMail() {
// メール送信処理
}
}
一見すると問題なさそうに見えますが、 このクラスはコントローラでありながら、入力チェック、データ保存、通知処理まで抱え込んでいます。 このような状態になると、修正時にどこを直せばよいのか分かりにくくなります。
オブジェクト指向では、本来それぞれの役割を別のクラスに分けることで、 構造を分かりやすくし、変更に強い設計を目指します。 設計を意識しないまま書くと、そのメリットが失われてしまいます。
6. オブジェクト指向を誤解しやすいポイント
オブジェクト指向は、Javaを学ぶうえで避けて通れない考え方ですが、 初心者の方が誤解しやすいポイントも多く存在します。 これらの誤解が、「オブジェクト指向は難しい」「自分には向いていない」という印象につながることもあります。
ここでは、特に混乱しやすい考え方について整理し、 不必要に苦手意識を持たないための視点を紹介します。
クラスを増やせば良い設計だと思ってしまう
初心者の方がよく誤解しがちなのが、 「クラスをたくさん作ればオブジェクト指向らしい設計になる」という考え方です。 実際には、クラスの数よりも、それぞれの役割が明確かどうかが重要になります。
役割が重複していたり、何を担当しているのか分からないクラスが増えると、 Javaのコード全体が把握しづらくなってしまいます。 オブジェクト指向では、少ないクラスでも分かりやすい設計を目指すことが大切です。
最初から完璧な設計を目指してしまう
オブジェクト指向を学び始めると、 最初から正解の設計を作らなければならないと考えてしまうことがあります。 しかし、実際のJava開発では、最初から完璧な設計ができることはほとんどありません。
多くの場合、まずはシンプルに作り、 その後必要に応じてクラスを分けたり、責任を整理したりします。 オブジェクト指向は、改善を前提とした柔軟な考え方でもあります。
オブジェクト指向は難解な理論だと思い込んでしまう
オブジェクト指向という言葉だけを見ると、 難しい理論や高度な知識が必要だと感じるかもしれません。 しかし、その本質は「役割を分けて考える」という、とてもシンプルな発想です。
Javaのオブジェクト指向は、現実世界の考え方をそのままプログラムに落とし込んだものです。 分からないと感じる時期があるのは自然なことであり、 それは理解が進んでいる途中段階だと考えることができます。
オブジェクト指向は万能ではありませんが、 Javaの現場で長く使われ続けている理由があります。 苦手な部分を知ったうえで向き合うことで、無理なく理解を深めていくことができます。