Javaサーブレットのライフサイクルを完全解説!初心者でも理解できるWebの基本仕組み
新人
「JavaでWebアプリを作るときに、サーブレットって必ず出てきますけど、正直よく分かっていません…」
先輩
「最初はそうなりますよ。サーブレットはWebアプリの中核なので、動き方を知ることが大切です。」
新人
「動き方というと、サーブレットのライフサイクルってやつですか?」
先輩
「そうです。サーブレットが作られてから終了するまでの流れを理解すると、Webの仕組みが一気に見えてきます。」
新人
「パソコンをほとんど触ったことがない人でも理解できますか?」
先輩
「もちろんです。身近な例えを使って、順番に説明していきましょう。」
1. サーブレットのライフサイクルとは?(基本概念と全体像)
サーブレットのライフサイクルとは、Javaで作られたサーブレットが誕生してから役目を終えるまでの一連の流れのことです。 難しく聞こえますが、人の一生に例えるととても分かりやすくなります。
人は「生まれる → 働く → 引退する」という流れがあります。サーブレットも同じで、 「作られる → 仕事をする → 終了する」という決まった順番で動いています。
ここでいうサーブレットとは、Webサーバー上で動くJavaのプログラムのことです。 ブラウザから送られたリクエスト(お願い)に対して、HTMLなどのレスポンス(返事)を返します。
重要なのは、サーブレットは毎回新しく作られるわけではないという点です。 一度作られたサーブレットは、同じプログラムとして何度も使い回されます。 この仕組みを理解するために、ライフサイクルの考え方が必要になります。
サーブレットのライフサイクルは、大きく分けてinit・service・destroyという 3つの段階で構成されています。これらはJavaのメソッドとして用意されており、 Webサーバー(正確にはサーブレットコンテナ)が自動で呼び出します。
2. なぜサーブレットのライフサイクルを理解する必要があるのか
「とりあえず動けばいいのでは?」と思うかもしれませんが、 サーブレットのライフサイクルを理解していないと、エラーや無駄な処理が発生しやすくなります。
例えば、毎回同じ初期設定を何度も実行してしまうと、処理が遅くなったり、 サーバーに無駄な負荷がかかったりします。 これは、initで一度だけ行うべき処理をserviceに書いてしまうことが原因です。
また、サーブレットは複数の人が同時にアクセスすることを前提に動きます。 ライフサイクルを知らないまま変数を使うと、他人のデータが混ざるといった Webアプリでは致命的な問題が起こります。
初心者のうちからサーブレットのライフサイクルを意識しておくと、 JSPやSpringといった次のステップの技術も理解しやすくなります。 Web開発の土台となる知識なので、遠回りのようで実は一番の近道です。
3. サーブレットのライフサイクル全体の流れ(init・service・destroy)
ここでは、サーブレットのライフサイクルを順番に見ていきます。 初心者の方は「いつ・何が・何回呼ばれるのか」を意識しながら読むのがポイントです。
initメソッド:最初に一度だけ呼ばれる準備処理
initメソッドは、サーブレットが最初に作られたときに一度だけ実行されます。 ここでは、データベース接続の準備や初期設定など、 繰り返し行う必要のない処理を書くのが一般的です。
import jakarta.servlet.ServletException;
import jakarta.servlet.http.HttpServlet;
public class SampleInitServlet extends HttpServlet {
@Override
public void init() throws ServletException {
System.out.println("サーブレットが初期化されました");
}
}
serviceメソッド:リクエストごとに呼ばれる仕事の中心
serviceメソッドは、ブラウザからアクセスされるたびに呼ばれます。 「仕事をする場所」と考えると分かりやすいです。 実際にはdoGetやdoPostが使われることが多く、 serviceはそれらを振り分ける役割を持っています。
import jakarta.servlet.http.HttpServlet;
import jakarta.servlet.http.HttpServletRequest;
import jakarta.servlet.http.HttpServletResponse;
import java.io.IOException;
public class SampleServiceServlet extends HttpServlet {
@Override
protected void doGet(HttpServletRequest request, HttpServletResponse response) throws IOException {
response.getWriter().println("Hello Servlet");
}
}
destroyメソッド:終了時に一度だけ呼ばれる後片付け
destroyメソッドは、サーバーが停止するときやサーブレットが破棄されるときに 一度だけ呼ばれます。ここでは、使っていたリソースを解放するなど、 後片付けの処理を書きます。
人で言えば「引退後の整理」のようなものです。 この処理を書いておかないと、メモリ不足などの問題につながることがあります。
4. initメソッドの役割と呼び出しタイミング
initメソッドは、サーブレットのライフサイクルの中でも最初の入口にあたる重要な存在です。 このメソッドは、サーブレットがサーブレットコンテナによって生成された直後に呼び出され、 その後は何度リクエストが送られてきても、再び実行されることはありません。
初心者の方が混乱しやすい点として、「アクセスされたら毎回initが動くのではないか」という誤解があります。 しかし実際には、initはサーブレットごとに一回だけ実行される処理です。 そのため、ここには初期設定や共通準備の処理を書くのが基本となります。
例えば、データベースへの接続情報の読み込みや、アプリ全体で使う設定値の準備、 ログ出力の初期化などは、initメソッドで行うのが適切です。 毎回のリクエスト処理で同じ設定を繰り返す必要がないため、 パフォーマンス面でも大きなメリットがあります。
呼び出しのタイミングとしては、最初のリクエストが来た瞬間に実行される場合が一般的です。 ただし、設定によってはサーバー起動時に事前にinitが呼ばれることもあります。 いずれにしても、開発者が直接initを呼ぶことはなく、 サーブレットコンテナが自動で管理している点が重要です。
import jakarta.servlet.ServletException;
import jakarta.servlet.http.HttpServlet;
public class ConfigInitServlet extends HttpServlet {
private String appName;
@Override
public void init() throws ServletException {
appName = "サンプルWebアプリ";
System.out.println(appName + " の初期化が完了しました");
}
}
上記の例では、アプリケーション名を初期化時に設定しています。 このように、サーブレット全体で共通して使う情報を準備する場所として、 initメソッドは非常に重要な役割を担っています。
5. serviceメソッドとdoGet・doPostの処理の流れ
serviceメソッドは、サーブレットが実際に「仕事」をする中心的な存在です。 ブラウザからリクエストが送られてくるたびに呼び出され、 その内容に応じた処理を実行します。
ただし、実際の開発現場ではserviceメソッドを直接オーバーライドすることは少なく、 doGetやdoPostといったメソッドを使うのが一般的です。 これは、serviceメソッドがリクエストの種類を判別し、 適切なdoGetやdoPostへ自動で振り分ける役割を持っているためです。
例えば、ブラウザのアドレスバーからアクセスする場合はGETリクエストとなり、 フォーム送信などではPOSTリクエストが使われます。 サーブレットコンテナは、この違いを判断して、 対応するメソッドを呼び出します。
この仕組みを理解していないと、 すべての処理を一か所に書いてしまい、 可読性が低く、保守しづらいコードになりがちです。 リクエストの種類ごとに処理を分けることで、 プログラムの見通しが良くなります。
import jakarta.servlet.http.HttpServlet;
import jakarta.servlet.http.HttpServletRequest;
import jakarta.servlet.http.HttpServletResponse;
import java.io.IOException;
public class MethodFlowServlet extends HttpServlet {
@Override
protected void doGet(HttpServletRequest request, HttpServletResponse response) throws IOException {
response.getWriter().println("これはGETリクエストの処理です");
}
@Override
protected void doPost(HttpServletRequest request, HttpServletResponse response) throws IOException {
response.getWriter().println("これはPOSTリクエストの処理です");
}
}
このように、serviceメソッドは表に出ることは少ないものの、 内部で重要な役割を果たしています。 初心者のうちは「serviceが入り口で、doGetやdoPostが実処理」と覚えると理解しやすいでしょう。
6. サーブレットコンテナが管理するライフサイクルの仕組み
サーブレットのライフサイクルを語るうえで欠かせない存在が、 サーブレットコンテナです。 これは、サーブレットを実行・管理するための仕組みであり、 開発者の代わりに多くの処理を自動で行ってくれます。
サーブレットコンテナは、サーブレットの生成、initの呼び出し、 リクエストごとのservice実行、そしてdestroyによる終了処理まで、 一連の流れを一括して管理しています。 開発者は、そのルールに沿ってメソッドを実装するだけで、 Webアプリを動かすことができます。
また、サーブレットは基本的に一つのインスタンスを複数人で共有します。 同時アクセスが発生しても、コンテナがスレッドを使って処理を振り分けるため、 高速にレスポンスを返すことが可能です。 この点を理解していないと、変数の扱いで思わぬ不具合が発生します。
ライフサイクル管理をサーブレットコンテナに任せることで、 開発者はビジネスロジックに集中できます。 これは、Javaサーブレットが長年使われ続けている理由の一つでもあります。 仕組みを正しく理解することで、安全で効率的なWebアプリ開発が可能になります。
2. destroyメソッドの役割とリソース解放の重要性
destroyメソッドは、サーブレットのライフサイクルの中で最後に一度だけ呼ばれる終了処理です。 サーバーの停止時や、アプリケーションの再デプロイ時など、 サーブレットが役目を終えるタイミングで実行されます。 普段の開発ではあまり意識されにくい部分ですが、 安定したWebアプリを作るためには非常に重要な役割を担っています。
サーブレットは長時間サーバー上で動き続けるため、 さまざまなリソースを内部で使用します。 例えば、データベース接続、ファイルの読み書き、 外部システムとの通信などが代表的です。 これらを使いっぱなしにしてしまうと、 メモリ不足や接続枯渇といった深刻な問題につながります。
destroyメソッドの役割は、こうした使用済みリソースを確実に解放することです。 人で例えるなら、仕事を終えた後に机の上を片付け、 電気やパソコンの電源を切って帰るようなものです。 片付けをしないまま帰宅すると、次の日に困るのと同じです。
import jakarta.servlet.http.HttpServlet;
public class ResourceDestroyServlet extends HttpServlet {
@Override
public void destroy() {
System.out.println("サーブレットの終了処理を実行します");
}
}
上記の例では、destroyメソッドが呼ばれたことを確認するだけの簡単な処理を書いています。 実際の開発では、データベース接続のクローズや、 スレッドの停止処理などをここにまとめて記述します。 destroyは自動で呼び出されるため、 開発者が直接実行する必要はありません。
初心者のうちは「とりあえず動けばいい」と思いがちですが、 終了処理を正しく書けるかどうかで、 アプリケーションの品質は大きく変わります。 destroyメソッドは目立たない存在ですが、 縁の下でシステムを支える重要なメソッドだと覚えておきましょう。
8. サーブレットのライフサイクルにおける注意点(スレッド・シングルトン)
サーブレットのライフサイクルを理解するうえで、 必ず押さえておきたい注意点がスレッドとシングルトン的な動作です。 これを知らずに開発すると、 思わぬバグやデータ不整合が発生する原因になります。
サーブレットは基本的に一つのインスタンスを複数のリクエストで共有します。 つまり、同時に複数のユーザーがアクセスした場合でも、 新しいサーブレットが毎回作られるわけではありません。 同じサーブレットに対して、複数のスレッドが同時に処理を行います。
そのため、インスタンス変数の扱いには特に注意が必要です。 一人分のデータだと思って保存した値が、 別のユーザーの処理に影響を与えてしまうことがあります。 これは初心者が非常に陥りやすいミスです。
import jakarta.servlet.http.HttpServlet;
import jakarta.servlet.http.HttpServletRequest;
import jakarta.servlet.http.HttpServletResponse;
import java.io.IOException;
public class CounterServlet extends HttpServlet {
private int count = 0;
@Override
protected void doGet(HttpServletRequest request, HttpServletResponse response) throws IOException {
count++;
response.getWriter().println("現在のカウント:" + count);
}
}
この例では、countというインスタンス変数を使っています。 同時アクセスが発生すると、 カウントの値が想定外の動きをする可能性があります。 このような処理は、スレッドセーフではありません。
対策としては、リクエストごとに使うデータはローカル変数にする、 もしくは同期処理を正しく行うといった方法があります。 サーブレットは便利な反面、 並行処理を前提とした設計が求められる点を理解しておくことが重要です。
ライフサイクルとスレッドの関係を意識できるようになると、 より安全で信頼性の高いWebアプリを作れるようになります。 これは、フレームワークを使う場合でも役立つ基礎知識です。
9. サーブレットのライフサイクルのポイント整理と学習のまとめ
ここまで、サーブレットのライフサイクルについて詳しく見てきました。 内容が多く感じられるかもしれませんが、 ポイントを整理すると理解しやすくなります。
まず、サーブレットは作られてから破棄されるまで決まった流れで動きます。 initは初期化、serviceはリクエスト処理、 destroyは終了処理という役割を持っています。 この順番と回数を正しく理解することが第一歩です。
次に重要なのは、サーブレットが一度作られたら使い回される存在である点です。 毎回新しく生成されるわけではないため、 変数のスコープやスレッドの影響を常に意識する必要があります。 これはWeb開発特有の考え方とも言えます。
また、destroyメソッドによる後片付けは、 アプリケーションの安定稼働に直結します。 表に見えない部分ですが、 プロとして信頼されるコードを書くためには欠かせない視点です。
サーブレットのライフサイクルを理解できるようになると、 JSPやMVC構成、さらにはSpringなどのフレームワークの仕組みも、 「なぜそうなっているのか」が見えてきます。 基礎を丁寧に押さえることが、結果的に最短ルートになります。
最初は難しく感じても、 実際にコードを書きながら動きを確認することで、 知識は少しずつ定着していきます。 サーブレットのライフサイクルは、 JavaによるWeb開発の土台となる重要な概念です。 ぜひ何度も読み返しながら、自分のものにしてください。