Java Servletとは?初心者でもわかる仕組み・役割・ライフサイクルを完全解説
新人
「JavaでWebサイトを作るときに、Servletってよく聞くんですが、正直なにをしているものなのか分からなくて…」
先輩
「Servletは、ブラウザからのリクエストを受け取って、処理をして、結果を返す役割を持つJavaのプログラムですよ。」
新人
「ブラウザからのリクエストって、ボタンを押したりURLを開いたりすることですか?」
先輩
「そうです。ServletはWebアプリケーションの裏側で動いていて、ユーザーの操作に応じて処理を実行しています。」
新人
「プログラミング未経験でも理解できますか?」
先輩
「大丈夫です。仕組みから順番に説明していきましょう。」
1. Servletとは?(基本概念と役割)
Servlet(サーブレット)とは、Javaで作られたWebサーバー上で動くプログラムのことです。 インターネットを使ってWebサイトを見ているとき、実はあなたの操作の裏側ではServletが活躍しています。
とても簡単にたとえると、Servletはレストランの店員のような存在です。 お客さん(ブラウザ)が「この料理ください」と注文(リクエスト)すると、 店員(Servlet)がキッチン(サーバー内部)に伝え、料理(レスポンス)を運んできます。
ブラウザとは、Google ChromeやEdge、Safariなどのことです。 URLを入力したり、ボタンをクリックしたりすると、その情報がHTTPリクエストとしてサーバーに送られます。 Servletはこのリクエストを受け取り、Javaのコードで処理を行い、結果をHTMLなどの形で返します。
Servletは「Java Servlet API」という仕組みの一部で、主にサーバーサイドで動作します。 サーバーサイドとは、ユーザーのパソコンではなく、インターネット上のコンピューターで処理が行われる仕組みのことです。
2. Servletでできることと利用シーン
Servletを使うと、Webアプリケーションでさまざまな処理が可能になります。 プログラミング未経験の方でも、身近なWebサービスを思い浮かべると理解しやすいです。
例えば、ログイン処理があります。 ユーザーがIDとパスワードを入力してログインボタンを押すと、その情報はServletに送られます。 Servletは入力内容をチェックし、正しければログイン成功、間違っていればエラーメッセージを返します。
他にも、以下のような場面でServletは使われます。
- お問い合わせフォームの送信処理
- ショッピングサイトの購入処理
- 検索キーワードをもとに結果を表示する処理
- データベースから情報を取得して画面に表示する処理
これらはすべて、ユーザーの操作に応じて動的に内容が変わるWebページです。 静的なHTMLだけでは実現できない処理を、Servletが担当します。
特にJava Servletは、大規模な業務システムや企業向けWebアプリケーションで多く使われています。 安定性が高く、長年使われ続けている技術であることも大きな特徴です。
3. Servletの基本構成とライフサイクル
Servletには、決まったライフサイクルがあります。 ライフサイクルとは、プログラムが生まれてから終了するまでの流れのことです。 人が「生まれる → 働く → 引退する」という流れを持つのと同じイメージです。
Servletのライフサイクルは、主に次の流れで進みます。
- Servletの生成
- 初期化処理
- リクエスト処理
- 終了処理
まず、WebサーバーがServletを必要とすると、Servletのインスタンスが作られます。
その後、一度だけ初期化処理が行われます。
このときに使われるのがinitメソッドです。
次に、ユーザーからリクエストが送られるたびに、doGetやdoPostといったメソッドが呼ばれます。
ここが、実際の処理を書くメインの場所になります。
最後に、サーバーが停止するときなどにdestroyメソッドが呼ばれ、Servletは終了します。
import jakarta.servlet.http.HttpServlet;
import jakarta.servlet.http.HttpServletRequest;
import jakarta.servlet.http.HttpServletResponse;
import java.io.IOException;
public class SampleServlet extends HttpServlet {
protected void doGet(HttpServletRequest request, HttpServletResponse response) throws IOException {
response.getWriter().write("Hello Servlet");
}
}
上記は、とても基本的なServletの例です。 ブラウザからアクセスすると、「Hello Servlet」という文字が表示されます。 このようにServletは、JavaコードでWebの動きを作る中心的な存在です。
import jakarta.servlet.ServletException;
import jakarta.servlet.http.HttpServlet;
import jakarta.servlet.http.HttpServletRequest;
import jakarta.servlet.http.HttpServletResponse;
import java.io.IOException;
public class LifeCycleServlet extends HttpServlet {
public void init() throws ServletException {
System.out.println("初期化処理");
}
protected void doPost(HttpServletRequest request, HttpServletResponse response) throws IOException {
response.getWriter().write("POSTリクエストを受信しました");
}
public void destroy() {
System.out.println("終了処理");
}
}
この例では、Servletのライフサイクルに関わるメソッドが登場しています。 どのタイミングで、どの処理が動くのかを意識すると、Servletの理解が一気に深まります。
4. Servletの作成手順(基本テンプレート)
ここからは、実際にServletを作成する流れを、初心者の方にも分かりやすく説明していきます。 Servletは、決まった手順と形に沿って作成することで、Webサーバー上で正しく動作します。 最初は難しく感じるかもしれませんが、基本テンプレートを理解すれば、作業の流れはとてもシンプルです。
まず、Servletを作成するためには、Javaのクラスを用意します。
このクラスは、必ずHttpServletクラスを継承します。
これによって、そのクラスが「Servletとして動作するプログラム」であることをサーバーに伝えます。
次に、リクエストを処理するためのメソッドを定義します。
よく使われるのが、doGetメソッドとdoPostメソッドです。
doGetは、URLを直接開いたときやリンクをクリックしたときに使われ、
doPostは、フォーム送信などで使われることが多いです。
以下は、最も基本的なServletのテンプレートです。 この形を覚えておくと、Servlet作成の土台としてとても役立ちます。
import jakarta.servlet.http.HttpServlet;
import jakarta.servlet.http.HttpServletRequest;
import jakarta.servlet.http.HttpServletResponse;
import java.io.IOException;
public class BasicServlet extends HttpServlet {
protected void doGet(HttpServletRequest request, HttpServletResponse response) throws IOException {
response.getWriter().write("基本のServletです");
}
}
このServletでは、ブラウザからアクセスすると、指定した文字列がそのまま画面に表示されます。 まだ見た目はシンプルですが、Servletがリクエストを受け取り、レスポンスを返していることが分かります。
Servletの作成では、「クラスを作る」「継承する」「メソッドを書く」という三つの流れを意識すると、 全体像がとても理解しやすくなります。
5. web.xml・アノテーションによるServlet設定
Servletを作成しただけでは、まだブラウザからアクセスすることはできません。 どのURLで、どのServletを動かすのかを、サーバーに設定する必要があります。 この設定方法には、大きく分けて二つの方法があります。
一つ目は、web.xmlという設定ファイルを使う方法です。 web.xmlは、Webアプリケーション全体の設定をまとめて管理するファイルで、 ServletとURLの対応関係もここに記述します。
<servlet>
<servlet-name>SampleServlet</servlet-name>
<servlet-class>com.example.SampleServlet</servlet-class>
</servlet>
<servlet-mapping>
<servlet-name>SampleServlet</servlet-name>
<url-pattern>/sample</url-pattern>
</servlet-mapping>
この設定では、「/sample」というURLにアクセスすると、 指定したServletクラスが実行される仕組みになっています。 web.xmlを使う方法は、設定が明確で管理しやすいという特徴があります。
二つ目の方法は、アノテーションを使う方法です。 アノテーションとは、Javaコードの上に付ける設定用の記述のことです。 最近のServlet開発では、この方法が主流になっています。
import jakarta.servlet.annotation.WebServlet;
import jakarta.servlet.http.HttpServlet;
import jakarta.servlet.http.HttpServletRequest;
import jakarta.servlet.http.HttpServletResponse;
import java.io.IOException;
@WebServlet("/annotation")
public class AnnotationServlet extends HttpServlet {
protected void doGet(HttpServletRequest request, HttpServletResponse response) throws IOException {
response.getWriter().write("アノテーション設定のServletです");
}
}
このように記述することで、web.xmlを編集しなくても、 URLとServletを直接コード内で結び付けることができます。 初心者の方にとっても分かりやすく、設定ミスが減る点がメリットです。
学習初期の段階では、アノテーションによる設定を中心に理解すると、 Servletの仕組みをスムーズに学ぶことができます。
6. Servletの実行までの流れ(リクエスト〜レスポンス)
最後に、Servletが実際にどのような流れで動作しているのかを整理してみましょう。 ブラウザからServletが呼び出され、画面に結果が表示されるまでには、 いくつかの段階があります。
まず、ユーザーがブラウザでURLを入力したり、ボタンをクリックしたりします。 この操作によって、HTTPリクエストがWebサーバーに送信されます。
次に、Webサーバーは、そのリクエストに対応するServletを探します。 web.xmlやアノテーションの設定をもとに、どのServletを使うかを判断します。
対象となるServletが見つかると、doGetやdoPostメソッドが呼び出されます。
この中で、データの処理や判定が行われ、レスポンスの内容が作成されます。
最後に、Servletが作成したレスポンスがWebサーバーを通じてブラウザに返されます。 ブラウザはその内容を受け取り、画面に表示します。 ユーザーは、この一連の流れを意識することなく、Webページを操作しています。
この「リクエストからレスポンスまでの流れ」を理解することは、 Servletだけでなく、Webアプリケーション全体を理解する上でとても重要です。 処理の流れを頭の中でイメージできるようになると、 エラーが起きたときの原因も見つけやすくなります。
7. Servletを使うメリットと特徴
Java Servletは、長年にわたって多くの現場で使われ続けているWeb技術です。 初心者の方にとっては少し堅い印象があるかもしれませんが、実はとても多くのメリットを持っています。 ここでは、Servletを使うことで得られる代表的な利点や特徴について、分かりやすく整理していきます。
まず大きなメリットとして挙げられるのが、高速で安定した動作です。 Servletはサーバー上で一度生成されると、同じインスタンスが繰り返し利用されます。 そのため、リクエストごとにプログラムを作り直す必要がなく、処理速度が速くなります。 この仕組みは、アクセス数の多い業務システムや大規模サイトで特に効果を発揮します。
次に、Javaの豊富な機能をそのまま利用できる点も重要です。 Javaには、文字列処理や日付計算、ファイル操作、データベース接続など、 さまざまな標準機能やライブラリが用意されています。 Servletでは、それらを自由に組み合わせてWebアプリケーションを構築できます。
また、Servletは拡張性と保守性が高いことでも知られています。 処理をクラス単位で分けたり、役割ごとに設計したりすることで、 機能追加や修正がしやすい構造を作ることができます。 これは、長期間運用される企業システムにおいて非常に重要なポイントです。
セキュリティ面でも、Servletは優れています。 Java自体が型安全な言語であり、不正な処理を防ぎやすい設計になっています。 さらに、認証やセッション管理などの仕組みも標準で用意されているため、 安全性の高いWebアプリケーションを構築しやすいです。
このようにServletは、「速い」「安定している」「拡張しやすい」「安全」という特徴を持ち、 今でも多くの現場で信頼されている技術だと言えます。
8. Servlet開発でつまずきやすいポイントと注意点
Servletは強力な技術ですが、学習や開発の途中でつまずきやすいポイントもいくつか存在します。 あらかじめ注意点を知っておくことで、エラーや混乱を減らすことができます。 ここでは、初心者の方が特に戸惑いやすい点を中心に解説します。
まず多いのが、URLとServletが正しく結び付いていないという問題です。 アノテーションやweb設定ファイルの記述ミスがあると、 ブラウザからアクセスしてもServletが実行されません。 エラー画面が表示された場合は、URLパターンとクラス名を必ず確認しましょう。
次に注意したいのが、文字コードの扱いです。 日本語を含むフォーム送信を行う場合、文字化けが発生することがあります。 リクエストやレスポンスの文字コードを適切に設定しないと、 正しいデータを扱えなくなるため注意が必要です。
protected void doPost(HttpServletRequest request, HttpServletResponse response) throws IOException {
request.setCharacterEncoding("UTF-8");
response.setContentType("text/html; charset=UTF-8");
response.getWriter().write("文字コード設定済みです");
}
また、Servletは基本的に一つのインスタンスが複数のリクエストを処理するという点も重要です。 フィールド変数に値を保存すると、別のユーザーの処理に影響が出る可能性があります。 そのため、リクエストごとのデータはローカル変数として扱うことが推奨されます。
さらに、Servletに処理を書きすぎてしまうケースもよく見られます。 画面表示の処理や複雑なビジネスロジックをすべてServletに書くと、 コードが読みづらくなり、保守が難しくなります。 役割ごとに処理を分ける意識を持つことが大切です。
public class CalculationService {
public int add(int a, int b) {
return a + b;
}
}
このように、計算や判定の処理を別クラスに分けることで、 Servletはリクエストとレスポンスの制御に集中させることができます。 これは、実務でもよく使われる考え方です。
9. Servlet(作成と実行)の重要ポイントまとめ
ここまで、Servletの仕組みから作成方法、実行の流れ、注意点までを詳しく見てきました。 最後に、Servlet開発において特に重要なポイントを整理しておきましょう。
まず、Servletはリクエストとレスポンスを処理する中心的な存在であることを理解することが大切です。 ブラウザの操作がどのようにServletに届き、どのように結果が返されるのかを 常に意識しながらコードを書くと、理解が深まります。
次に、基本テンプレートとライフサイクルをしっかり覚えることが重要です。 init、doGet、doPost、destroyといった流れを把握しておくことで、 処理を書く場所や役割が明確になります。
また、設定ミスや文字コード、スレッドの扱いなど、 初心者がつまずきやすいポイントを意識することで、 トラブルを未然に防ぐことができます。
Servletは単体でも学ぶ価値のある技術ですが、 他の技術と組み合わせることで、さらに理解が深まります。 基礎を丁寧に積み重ねていくことで、Webアプリケーション全体の仕組みが見えてくるようになります。
まずは小さなServletを作成し、ブラウザで動かしてみることから始めてみてください。 実際に動作を確認することで、知識が経験として定着していきます。