カテゴリ: Spring 更新日: 2025/06/22

Spring BootをVS Codeで始める方法(簡単セットアップ)

Spring BootをVS Codeで始める方法(簡単セットアップ)
Spring BootをVS Codeで始める方法(簡単セットアップ)

新人と先輩の会話形式で理解しよう

新人

「Spring Bootを使ってWebアプリを作りたいんですが、何から始めたらいいですか?」

先輩

「まずは開発環境を整えるところから始めましょう。今回は、Spring BootをVS CodeとPleiadesで簡単にセットアップする方法を紹介するよ。」

新人

「なるほど!PleiadesやGradleとかよく聞くけど、実際にどう使うのか分かっていません。」

先輩

「よし、それなら一緒にVS CodeでSpring Bootを始める手順をわかりやすく見ていこう!」

1. Spring Bootとは?

1. Spring Bootとは?
1. Spring Bootとは?

Spring Boot(スプリングブート)は、JavaでWebアプリケーションを簡単に作れるようにしたフレームワークです。Javaの標準的な開発では、設定ファイルをたくさん書いたり複雑な準備が必要ですが、Spring Bootならその面倒な部分を自動で行ってくれるため、すぐに開発を始めることができます。

「フレームワーク」とは、アプリを作るための土台のようなもので、よく使う機能や仕組みがあらかじめ用意されています。Spring Bootには、Web機能、データベース接続、セキュリティなど、よく使う機能が最初から組み込まれています。

初心者がJavaでWeb開発を始めるには、Spring Bootがとてもおすすめです。

2. なぜSpring Bootを使うのか?

2. なぜSpring Bootを使うのか?
2. なぜSpring Bootを使うのか?

JavaでWebアプリを作るには、通常たくさんの設定やライブラリの追加が必要です。しかし、Spring Bootを使えば、最初から必要な部品がそろっていて、すぐにWebアプリを作ることができます。

特に、以下のような理由でSpring Bootは人気です。

  • 面倒な設定がほとんど不要
  • すぐに動かせるWebアプリが作れる
  • 組み込みのサーバ(Tomcat)で実行できる
  • GradleやMavenでライブラリの管理が簡単にできる

また、Spring Bootを使うと、最初の画面表示までの流れがとてもスムーズです。「Hello画面」を出すだけでも、複雑なコードは不要で、少ないステップで実現できます。

3. 今回使用する開発環境について

3. 今回使用する開発環境について
3. 今回使用する開発環境について

この記事では、Spring Bootを使った簡単なWebアプリ開発を、以下の開発環境で行います。

  • Pleiades(プレアデス): 日本語化されたEclipseベースの統合開発環境
  • Gradle: ライブラリを自動で管理してくれるビルドツール
  • VS Code: 軽量で使いやすいコードエディタ(主に表示・編集用として併用)

プロジェクトはPleiadesで作成します。PleiadesにはSpring Boot用のテンプレートがあるので、チェックを入れるだけで、必要な依存関係(ライブラリ)が自動で設定されます。

Gradleは、Pleiades内でプロジェクト作成時に選択することで、自動で設定されます。Spring Bootの実行もPleiadesから行えるので、初心者でも安心です。

この記事では、Spring BootプロジェクトをPleiadesで作成し、@Controllerを使った基本的な画面表示を行う準備までを解説します。VS Codeも併用して、コードの編集や確認ができます。

4. VS Codeに必要な設定(Java拡張パック、Pleiadesとの連携)

4. VS Codeに必要な設定(Java拡張パック、Pleiadesとの連携)
4. VS Codeに必要な設定(Java拡張パック、Pleiadesとの連携)

Spring Bootのコードを快適に書くためには、VS Code(Visual Studio Code)の環境を整えておくことが大切です。ここでは、VS Codeに必要な設定と、Pleiadesで作成したプロジェクトをVS Codeで編集できるようにする手順を説明します。

まず、VS CodeにはJava用の拡張機能が必要です。以下の手順でインストールしましょう。

  • VS Codeを起動
  • 左のメニューから「拡張機能(四つの四角マーク)」をクリック
  • 検索欄に「Java Extension Pack」と入力
  • 表示された拡張機能パックをインストール

「Java Extension Pack」には、Javaのコード補完、構文チェック、デバッグなどに必要なツールがすべて入っています。Spring Bootの開発にも対応しており、Gradleプロジェクトもサポートされています。

次に、Pleiadesで作成したSpring BootプロジェクトをVS Codeで開く方法を紹介します。手順は以下の通りです。

  • Pleiadesでプロジェクトを作成して保存
  • エクスプローラーなどでプロジェクトのフォルダを開く
  • フォルダをVS Codeにドラッグ&ドロップする

これでVS Code上でもSpring Bootのコードが確認・編集できるようになります。

5. Spring Bootの新規プロジェクト作成手順(Pleiadesを使って)

5. Spring Bootの新規プロジェクト作成手順(Pleiadesを使って)
5. Spring Bootの新規プロジェクト作成手順(Pleiadesを使って)

Spring Bootプロジェクトの作成は、Pleiadesを使うととても簡単です。Mavenではなく、今回はGradle構成で作成する手順を紹介します。

以下の手順で新しいSpring Bootプロジェクトを作成します。

  1. Pleiadesを起動します。
  2. メニューの「ファイル」→「新規」→「Spring スターター・プロジェクト」を選択します。
  3. プロジェクト名やパッケージ名を入力します。
  4. 「ビルドツールの選択」で「Gradle」を選びます(※Mavenは使いません)。
  5. 「依存関係の追加」で「Spring Web」にチェックを入れます。
  6. 「完了」を押すと、プロジェクトが自動生成されます。

プロジェクトが作成されると、必要なファイルやフォルダが揃った状態になります。Gradleの構成ファイルやSpring Bootのメインクラス(Application.java)も自動で作られています。

6. Gradle構成でSpring Bootを動かす方法(MavenではなくGradle)

6. Gradle構成でSpring Bootを動かす方法(MavenではなくGradle)
6. Gradle構成でSpring Bootを動かす方法(MavenではなくGradle)

Spring BootプロジェクトをGradle構成で動かすには、Pleiadesの機能を使えばとても簡単です。Gradleはビルドツールと呼ばれ、必要なライブラリの管理やアプリの実行を手助けしてくれます。

まず、プロジェクトの構成を確認しましょう。Pleiadesで作成したGradleプロジェクトには、以下のような構成になっています。

  • build.gradle:ビルドや依存関係の設定ファイル
  • settings.gradle:プロジェクト名などの設定
  • src/main/java:Javaのソースコードを置く場所
  • src/main/resources:テンプレートや設定ファイルなどを置く場所

Spring Bootアプリケーションを動かすには、以下の手順で実行できます。

  1. プロジェクトを右クリック
  2. 「実行」→「Spring Boot アプリケーションの実行」を選択

これでアプリケーションが起動します。初めて実行するときはGradleがライブラリをダウンロードするため、少し時間がかかる場合があります。

Spring Bootのアプリケーションが正しく起動すると、コンソールに以下のようなメッセージが表示されます。


Tomcat started on port(s): 8080 (http)
Started Application in 5.123 seconds

この状態でWebブラウザを開き、次のURLにアクセスしてみましょう。


http://localhost:8080/

まだ画面は表示されないかもしれませんが、アプリケーション自体は正常に起動しています。次のステップでは、@Controllerを使って「Hello画面」などを表示する方法を解説していきます。

Spring BootをGradleで動かすことで、依存関係の管理がとても楽になります。また、Mavenに比べて記述が簡潔なのもメリットです。初心者でもGradleの基本を理解しやすく、Spring Bootの開発に集中できます。

7. コントローラクラスの作成とHello画面表示(@Controller使用)

7. コントローラクラスの作成とHello画面表示(@Controller使用)
7. コントローラクラスの作成とHello画面表示(@Controller使用)

ここからは、Spring Bootで実際に画面を表示するために、@Controllerを使ったコントローラクラスを作成します。@RestControllerではなく@Controllerを使って、HTMLテンプレートと連携した表示方法を学びます。

まず、プロジェクト内のパッケージ(例:com.example.demo)に、新しいJavaクラスを作成します。


package com.example.demo;

import org.springframework.stereotype.Controller;
import org.springframework.ui.Model;
import org.springframework.web.bind.annotation.GetMapping;

@Controller
public class HelloController {

    @GetMapping("/")
    public String hello(Model model) {
        model.addAttribute("message", "こんにちは、Spring Boot!");
        return "hello";
    }
}

このHelloControllerでは、ルートURL(/)にアクセスが来たときに、hello.htmlというテンプレートを表示します。model.addAttributeで画面に表示する文字列(「こんにちは、Spring Boot!」)を設定しています。

次に、src/main/resources/templatesフォルダを作成し、その中にhello.htmlを以下のように作ります。


<!DOCTYPE html>
<html lang="ja">
<head>
    <meta charset="UTF-8">
    <title>Hello</title>
</head>
<body>
    <h1 th:text="${message}">メッセージ</h1>
</body>
</html>

このHTMLは、テンプレートエンジンThymeleaf(Spring Bootが標準で使う)を使って、${message}の部分にコントローラで設定した文字列を表示します。

8. アプリケーションの起動と動作確認

8. アプリケーションの起動と動作確認
8. アプリケーションの起動と動作確認

それでは、作成したコントローラとテンプレートを使って、Spring Bootアプリケーションを起動し、Hello画面を確認しましょう。

  1. Pleiades上でメインクラス(Application.java)を右クリックして「実行」→「Spring Boot アプリケーションの実行」を選択します。
  2. コンソールに「Tomcat started on port(s): 8080」などの表示が出たら、起動成功です。

ブラウザで以下のURLを開いてください:


http://localhost:8080/

「こんにちは、Spring Boot!」と表示されていれば成功です。

VS Codeでhello.htmlを編集すれば、すぐに画面表示が変わるので、Hot Reloadのような感覚で画面確認ができます。

9. よくあるエラーと解決法(実行できない・ビルドエラーなど)

9. よくあるエラーと解決法(実行できない・ビルドエラーなど)
9. よくあるエラーと解決法(実行できない・ビルドエラーなど)

Spring BootやVS Codeで初心者がつまずきやすいエラーと、その対策を紹介します。事前に知っておくことで、開発中にあわてずに済みます。

● テンプレートファイルが見つからないエラー

エラー例:

Template “hello” could not be resolved

原因と対策:

  • ファイル名やフォルダ構成が間違っていないか確認:src/main/resources/templates/hello.html
  • @Controllerとテンプレート名が一致しているか確認

● ビルドや依存関係エラー

エラー例:

Could not find method compileJava() for arguments...

原因と対策:

  • Gradleのバージョンや構成ファイル(build.gradle)が正しいか確認
  • Pleiadesでプロジェクト作成時に「Spring Web」にチェックが入っているか再確認
  • VS Codeで「Java Extension Pack」を再起動して認識し直す

● ポート重複エラー

エラー例:

Tomcat failed to start. Port 8080 was already in use.

原因と対策:

  • 他のアプリがポート8080を使っている可能性あり
  • application.propertiesにてポート番号を変更:server.port=8081などに設定

● HTMLが表示されずソースがそのまま出る

原因と対策:

  • Thymeleafの依存関係が正しく設定されているか(Pleiadesの「Spring Web」チェックで含まれている)
  • テンプレートエンジン用のファイル名・場所が正しいか再確認

これらのエラーは、設定ミスや構成ミスが原因のことが多いです。エラーメッセージをよく読んで、焦らずに対策すれば解決できますので、安心して進めてください。

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